yushuu
「臨書」は楽しい🎵その2
私がまだ書を始めた頃、泣かされたお手本が「鄭道昭(ていどうしょう)」です。
藤根凱風先生に相談しても、「避けては通れない(必須の)書だ」とだけ。
彼の書の中に「岸壁の書」とでもよべる書があります。
岸壁の母ではありません😁 岸壁の「書」です!
正確には岸壁ではなく、「磨崖(まがい)の書」。
磨崖というのは、文字を刻みつけるために磨かれた…
というかゴツゴツした山の斜面を少しでも平らにしてから
鄭道昭がとても苦労して(脚立なんかも使って?)字を刻みつけた。らしい…

実際に、鄭道昭が刻んだのが上の写真のような場所(雲峰山)なんですが…
「どうして紙に書いてくれないんだ?鄭道昭さん!蔡倫が中国で紙を発明してもう350年も経ってるんだから、なんでわざわざ磨崖になんて…」と愚痴りたくもなる。
いくら磨いても上の写真のように表面はゴツゴツしているので、刻まれた字は…

う~ん、どうやって筆を入れて、どうやって曲げて、どうやってハネて???
わからない。さらに風化しているので、これをそのまま写実的に書くわけにはいかない。
私が写実的に書くと、ほんとに下手な書にしかならない。悲しい😢
そこで前回のアドバイス「臨書は解釈だ」が生きてくるわけです。
解釈するために、「鄭道昭さんが、どんな人物で、どんな人生をおくっていたか」や
鄭道昭のもう一つの磨崖の書「論経書詩(ろんけいしょし)」を調べたりするわけです。
そうすると、とても面白い事実がわかってくるんです。やっぱり臨書は楽しい。
この書を勉強していたときに、加賀一石先生から言われた一言が重かった(>_<)
「最後は線質だなぁ」って、笑いながら言われました。全否定?!(笑)
私の鄭道昭の臨書は拙すぎるので、
清池会江別支部メンバーの北嶋蕙香さんの臨書を載せます。
上の写真の字を、見事に生き生きと現代に蘇らせていますよね。「やっぱり線質か…」
